vivo daily standソムリエのワインブログ

東京23区内で展開するバルチェーンvivo daily standのソムリエ資格保有者による、ワインの紹介、ソムリエ対策に関するブログです。

カテゴリ:ソムリエ試験対策 > アメリカ

想像するカリフォルニアは暑く、日差しも強く、しかし木陰に入ると湿度が少ない為、心地よい涼しさを感じ、ここ東京の暑さとは違い、さらっとした空気感ではないでしょうか?

このカリフォルニアの気候下でのブドウ栽培の課題は気温の高さと雨の少なさ。

カリフォルニアのブドウ生産地域は南北に長く、また、海岸沿いや内陸の山脈沿い、大きな平野、高度や方角で様々な環境があり、造られるブドウ、ワインもバラエティに富んでいます。

地域の気候に大きく影響するのは北(カナダ方面)から流れてくる冷たいカリフォルニア海流、ロサンゼルスから北の沿岸、ここは比較的山が多い地域で、大半の地域はこの山脈のおかげで直接、海流からの強い冷却効果を免れています。
また、この地域は昼間の高い気温と冷たい海風がぶつかる為、夕方から夜間にかけ、多く霧が発生します。
この霧がある程度湿度を保ちながら、昼間蓄積された暑さを冷却してくれて、翌朝遅くまでこの霧は続きます。
霧の影響で午前の気温は急激な上昇を免れ、日照を遮断してくれ、ブドウにとってよい昼夜の気温差を産みだしています。

この北の地域はナパやソノマなどの有名地区が多くあり高品質なワインを産みだしています。

南の内陸に位置を移すと、暑く、乾燥した大きな平野セントラルヴァレーが広がります。
内陸という事もあり、栽培には灌漑を用いり、広い平野での栽培は機械収穫も可能になり、大量生産、低価格なワインが造られています。

収穫まえの秋口、この地域はほとんど雨が降らず、ブドウの実は長く樹で熟し、「ハングタイム」(収穫までの期間、着果時間)をしっかりととれ、より凝縮された風味と糖度の極めて高い、非常に熟したワインが多く造られてきました。
(皆様が思い描く高アルコールで重くジャミーな味わいのワインですね)
現在はやや早めの収穫で新鮮さを感じるワインが世界的に高く評価されてきていて、エレガントでスリム、アルコールを抑えたフレッシュな味わいのものがトレンドとなってきています。
(これも昨今の世界的な低アルコール需要の流れに沿ったお話ではないでしょうか?)

今回ご紹介する
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【ティン ルーフ】メルロー G500(550)B3000(3300)
はまさにこのセントラルヴァレーを中心に造られたワインです。

この地域でも冷涼なエリアのブドウを使用していて。
ステンレスタンクで発酵、フレンチオークとアメリカンオークで熟成。

味わいは
このトレンド感もあり、フレッシュなカシス&ストロベリージャム(赤く、少し酸っぱい風味がトップにきます、唾液腺を刺激するアクセントは最後までダレない余韻に大きく影響しています)かすかにローズマリーの香り。(この、清涼感も爽やかな味わいに一役かっています)果実味と余韻に程よいボリュームを感じます(カリフォルニアらしさも共存できていますね)。冷涼と収穫を少し早めにする事による、酸味と甘みのバランスと、カリフォルニアらしさ トレンドを上手に組み込んだティンルーフ 、是非ご賞味を 各店にて順次リリースです。









ティン ルーフ セラ―ズ:カリフォルニア州の理想的な冷涼産地を選別し30年以上に渡りワインを作り、伝統と最新技術を合わせ芳醇で複雑なワインを生産。ロバート・パーカーより「現代の伝説」と評されたこともあり、カリフォルニアで最も早くスクリューキャップを導入したワイナリーでもあります。 松尾

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ROOT CAUSE/ルートコーズ CARIFORNIA/カリフォルニア SAUVIGNON BLANC/ソーヴィニヨンブラン
                                     G500(550)B3000(3300)

南国フルーツやソーヴィニヨンブランらしいハーブ香、適度な酸味と果実のボリューム感がバランスよく感じられます。

ソーヴィニヨンブラン:
非常に香り強く、酸味の高い品種です。成熟が早い為、冷涼な気候での栽培に適しています。
この酸味、が高いというのは冷涼な気候で栽培された特徴とイメージして頂ければと思います。
果実が熟していくにつれ、糖度が上がります。糖度が上がると必然的に酸味は低くなります。
熟してない果実は酸っぱく青いイメージですかね。
そのイメージで新鮮な果実の特徴を残してくれるのが酸味という事になります。
冷涼な地域は熟す時間が長くなり、急激果実が熟すことなく、最後まで酸が残り、完熟できるイメージです。
酸が効いていると最終的な味わいの構成がしっかりとしてきます。
意図的に酸味を控えめにしたり、加酸などの調整は過程でできますが、やはりブドウ由来の酸は上品で違和感がないですね。

ソーヴィニヨンブランはフランス、ロワールのエレガントで控えめな酸を呈する、サンセール、プイイフュメ が有名で(前回のマンスリ―はこのロワールのソーヴィニヨンブランでしたね、https://vivodailystand-sommelier.officialblog.jp/archives/8941062.html )
冷涼な気候を感じられる、綺麗な青い風味が印象的です。 (青りんごや今旬のアスパラガス、ミネラルを感じる表現の湿った石や火打石など)

また、ニュージーランド マールボロも有名産地で冷涼な産地ですが、日照が長く非常に力強い風味のワインとなり、西洋スグリやエルダーフラワー、グレープフルーツやパッションフルーツのパワフルなアロマが特徴となります。中には草の香りも感じるものもあります。

このソーヴィニヨンブラン、カリフォルニアでも人気で栽培も盛んです。
ルート(根)コーズ(原因)はその名の通り、カリフォルニアの恵まれた日照量と土壌で深く伸びた根から吸い上げた豊富な栄養で育った葡萄から、表現力豊かなワインを生み出しているブランドです。「Good roots, good wines, good times.」(良い根から、良いワインが生まれ、良い時間が流れる)のポリシーのもと、低価格・高品質なワインを生み出しております。

南国系のトロピカルフルーツと早熟感の青い印象を兼ね備え ボリュームある果実感は肥沃な土壌の栄養分をしっかりと吸収し沢山の日照を浴び、果実に糖分を貯えます。


畑や日照量、収穫時期による熟度の違い、など、ワインの中に同じ品種の違ったアプローチがブレンドされて個性とボリューム、バランスを作り出していて、ハウススタイルの一貫性がよく表現されています。

しっかりとした芯があるけど優しさのバランスが酸味に反映されている良質なソーヴィニヨンブラン
フランスでもNZでもないカリフォルニア是非ご賞味いただければ。

各店にて順次販売です。


松尾



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