vivo daily standソムリエのワインブログ

東京23区内で展開するバルチェーンvivo daily standのソムリエ資格保有者による、ワインの紹介、ソムリエ対策に関するブログです。

カテゴリ:ソムリエ試験対策 > イタリア

こんにちは

12月らしい気温になってきましたね。

本日はそんな季節にピッタリのボリューム感のあるマンスリーをご紹介したいと思います。

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【La Carraia / ラ カライア】 Italy/イタリア(Umbria/ウンブリア)Cabernet Sauvignon/カベルネソーヴィニヨン

イタリワイン最高峰の醸造家、コタレッラ家とウンブリアの地元生産者が一緒に創業した「ラ カッライア」彼らのワイン造りの哲学は、オルビエートにエトルリアの時代から伝わる伝統的なワイン造りを継承しつつ、革新的手法を用い高品質なワインを創り出すことです。

イタリアのおへそと言われる、このウンブリア 気候は大陸性で地中海による影響はなく、グレケット種とトリビアーノ種が主体のオルビエート(Orvieto)DOCやサグランティーノ ディ モンテテファルコなどが名声をあびています。

イタリア中央部、この地域ではやはりサンジョヴェーゼ、それから造られるキアンティが聞きなじみがあるかと思いますが、
この地域全体で、地元品種に加え、国際品種も多くつくられ世界的にも今、注目されている地域です。

どこの国もそうですが、その地域のブドウ品種に重きをおき、他をよせつけない、特にイタリア、自国に並々ならぬ愛をもっていると感じます。


そんなイタリアで国際品種が受け入れられているのが、時代というか、クラシコを重んじて、それだけにとどまらない自由な思想が感じられます。

やはり、いろんな品種(文化)の融合はさらなるおいしさにつながりますね。

鮮やかなパープルルージュの色味、煮詰めたベリーのような濃縮された果実味。舌触りは柔らかく、タンニンが引き締まっており、赤ワインらしさを十分に感じられる。カベルネらしい飲みごたえと密度を感じます。

わりと新しさのある国際品種ですが、味わいはすこしオールドなイメージ、綺麗というより武骨感のあるまさに密度、VT20ですが、しっかり熟成感も出ています。 余韻も長めで、最後までウンブリアのニューウェーブを感じさせてくれる味わいです。

寒いこの季節、ゆっくりと余韻にひたって、イタリア中部の懐の深さを体感してみては

松尾














































イタリア中部といえば、サンジョヴェーゼ
私が受けた、ソムリエ試験、論述で「サンジョヴェーゼにあう料理を提案せよ」という問題がでました。
素材を大切にした、シンプルな料理のイメージのイタリアン
中部といえば、、サンジョヴェーゼと一緒ならば、、
今ではもっと深いイメージもできると思いますが、

その当時はTボーンステーキ、これしかない!と書きました。

柔らかく、しっかりとした赤身、血の滴るようなこのステーキとサンジョヴェーゼ、この一択!

シンプルに焼いたステーキにサンジョベーゼのきれいな酸、特にチェリー感、そして奥行きに鉄分を感じ、レアなステーキとよくあうと思います。
また、ドライフラワーのような風味があとから鼻腔を抜けて、炭の風味かさなります。

キャンプに行くことがたまにあり、普段家ではできない炭火での料理、アウトドアということもあり、格別ですね。

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Tボーンではないですが、レア気味にしあげて、血のしたたりを感じる味わい。
炭の風味やはり、美味しいですね。
家ではさすがにできないので、野外ならでは

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香草でマリネした骨付きの豚ロース(通称、トマホーク)も一緒に

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肉、祭りですね!

ラ カライアではないですが、イタリア中部のワイン是非お料理とあわせてみては














こんにちは 
大げさなタイトルですが、今日はイタリアを代表するキアンティについてお話をします。


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イタリア中部トスカーナ州西海岸沿いに広がる地域で、北部の山がちな地区をキアンティと呼びます。
キアンティ地区はアペニン山脈の麓の丘陵地帯、ピサ市とフィレンツェ市、シエナ市の間にあり
この地区は広い生産地域をカバーし、7小地区に分かれています。
主体となるブドウ品種はサンジョベーゼですが、ワインは少量の他の黒ブドウ(フランス、イタリア両原産種)とブレンドされる事が多く、大量にキアンティを造る生産者は地域内から広くブドウを調達し
・キアンティDOCGと表記します(広い生産地域が伺えます)
より高品質なキアンティDOCGワインは特定の小地区で生産され、その小地区をラベルに記載する事ができます。
・キアンティ ルフィナ 
・キアンティ コッリ セネージ
などは質の高さでよく知られています。

・キアンティ クラッシコDOCG
は独自のDOCGをもっていて栽培地はキアンティDOCGより標高が高く、サンジョベーゼの成熟が遅くなり、その結果、酸味が増し、ハーブの香りを強めたワインとなります。
また販売前に12ヶ月熟成させなければならず、
さらに
・キアンティ クラッシコ リゼルヴァ 
は24か月の熟成(内3か月は瓶熟成)させる必要があります。
・グラン セレツィオーネ
は最高水準で単一エステートを使用、30カ月間熟成させなければいけません。
(大半のワインは一定期間オークを使用して熟成されます)
ワインをリリースするまで時間がかかるという事ですね、
高価になるのはこういった事も原因の一つです。。

少し南下して、
同じサンジョベーゼ主体の栽培地。
北部より、標高が下がり、気候も温暖になります。
南西から吹く冷たい海風により気温が熱くなりすぎない土壌でもあります。
・ブルネッロ ディ モンタルチーノDOCG
・ヴィーノ ノービレ ディ モンテプルチアーノDOCG
はこの地域で最も有名な呼称で、南のこの気候ゆえ、キアンティに比べ、より凝縮され、ボディも重厚になります。
・ブルネッロ ディ モンタルチーノ
はサンジョベーゼのみ使用、販売前に最長5年の熟成期間(内2年は樽熟成)を必要とし、イタリアでも最長の熟成規定となります。
・ヴィーノ ノービレ ディ モンテプルチャーノ
はサンジョベーゼと他指定品種のブレンドが許可されていて、最低2年熟成させなければならない。

リリースまでの時間が長く、また、ヴィンテージバラエティに対応すべく、それぞれ
・ロッソ ディ モンタルチーノDOC
・ロッソ ディ モンテプルチャーノ
と格下げしてワインをリリースする場合もあります。


沿岸地域
ここは比較的平坦な沿岸地域で高度ではなく、海風によって気温が低くなる地域です。
ここではボルドー原産の国際的な品種が広く栽培されていて、
・スーパータスカ
が最も有名なワインです。
イタリア地ブドウではなくカベルネソーヴィニオンで名声をうけDOCに該当しないにも関わらず素晴らしいワインの生産地として評判を再確立、イタリアワインに対する、国際的なイメージを変える事になりました。

トスカーナの多くの生産者はこの例にならい、国際的品種などを使用し、高品質のワインをつくっています。
多くはトスカーナIGTとして瓶詰されますが、比較的最近誕生した
・ボルゲリDOC
・マレッマ トスカーナDOC
どちらもカベルネソーヴィニオン メルロ― シラーといったイタリア原産以外のブドウだけでワインを造ることを認めています。

こうしてトスカーナを見てみると、地域性や時代の変化に応じてのワインの変化が見られます。

いろんなスタイルのトスカーナをご紹介しましたが
vivoでもキアンティはじめ、いろんなトスカーナを提案しています。
時代の移り変わりや地域性を思い浮かべながらワインを飲んでみては
よりトスカーナが身近に感じていただければ








こんにちは 
vivoでは人気アイテムとしていわゆる「陰干し系」と称するジャンルがあります。
その名の通り、収穫後のブドウを一定期間陰干しし、水分を抜き、より濃厚に造られるワインです。

その代表格となるワインが北イタリア ヴェネト州にあります。
「ヴァルポリチェッラ」
ヴェネト州ヴェローナの北西に位置するこの産地

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西にガルダ湖を有し、北の山麓丘陵地帯は石灰岩(水はけ良い土壌)と粘土(保湿性高く、土壌の温度が低い)と火山性(火山灰などの栄養価の低い土壌)のバラエティある土壌で地形の高度と相まってブドウの成熟が遅い地域となっています。
また、南の地域は砂利質と砂(水はけよく保温性に優れる)の土壌で暖かく、ブドウは果実風味が増し、酸味が低くなります。

ブドウ品種はコルヴィーナ種で、このブドウは果皮が薄く、中程度の色、低から中程度のタンニンと高い酸が特徴となります。

同じヴァルポリチェッラでも栽培地域によって表情が違うものができるのです。
それぞれの長所と短所を補うべく、このヴァルポリチェッラは様々な製法でリリースされています。

・ヴァルポリチェッラDOC
ブドウの特徴を補うよう(ワインの色とタンニンなどの補充)地元のブドウ品種をブレンドが許可されたワイン

・ヴァルポリチェッラ・クラッシコ DOC
山麓の丘陵地帯で産出されるブドウで造るワイン
(クラッシコ:長年にわたり数多くの原産地呼称では、本来の生産地域の外側で新たなブドウ栽培ができる様、その境界が拡大されてきました、クラッシコという用語は元々格付けされていた、栽培地のブドウだけでワインが造られている事を示します。該当地域で産出される最上のワインが多く含まれます。傾向として、山間部の標高高い場所が多いのも特徴です。)
ここで栽培されるブドウは酸度が高くなる傾向があります。
ワインはタンニンが軽く、シンプルでフルーティーなものになり、レッドチェリーの風味を呈し、抜栓後すぐ飲めるよう造られています。樽などもあまり使われなく、品種の特徴がトップにきます。

・パッシート製法
骨格と風味の凝縮と色を強める為にこの地方で広く用いられています。
まだ、酸味が高いうちに(熟すと糖分が高まり、酸味が落ち着く)ブドウを収穫、室内で乾燥させ、糖分と風味を凝縮させる。冬になるまで発酵は行われない。

この製法はヴァルポリチェッラでは2種類に分かれます。

・アマローネ デッラ ヴァルポリチェッラDOCG
(DOC:地理的境界とブドウ品種、生産方法の制限がある、DOCG:さらに生産地域で瓶詰、農業省の試飲審査を受けなければならない)
辛口またはオフドライ、フルボディ、アルコール度数が高く、タンニンは中程度から強く、極めて凝縮されたレッドベリーと香辛料の風味をもつ、また一般的にオークの大樽で熟成されます。
(オーク大樽で熟成すると樽からのニュアンスはあまりなく(ヴァニラやトースト、などの風味)
穏やかな空気との接触でワインの酸味が和らげます。)

・レチョート デッラ ヴァルポリチェッラDOCG
発酵が自然に止まるほど甘いブドウを使用(液体の糖分が高すぎるとと発酵酵母が活動を止めてしまったり、速度が落ちる。(ドイツの甘口など、アルコール度数が低いのもこの理由ですね))
この甘口ワインは赤系果実の強い風味を持ち、アルコール度数が高く(発酵に非常に時間がかかる)フルボディで、タンニンは中程度から多くなります。

※同地域ソアーベでは同じ方法で甘口の白も造られています。(レチョート ディ ソアーベDOCG)

・リパッソ製法(ヴァルポリチェッラ リパッソDOC)
発酵しているアマローネ デッラ ヴァルポリチェッラのブドウの果皮を利用、発酵が終了する前に、アマローネを抜き取り、果皮と分離、圧搾はせず、発酵を終えたヴァルポリチェッラの容器に果皮を加える、この処理で果皮の中の酵母も一緒に移り、果皮に残っている糖分をさらに発酵させ、この間に果皮から色と風味とタンニンを抽出、ワインを強めます。
ミディアムからフルボディで中程度から強いタンニン、煮込んだようなレッドチェリーやプラムの風味のワインとなります。

様々な製法でのヴァルポリチェッラ 
品種の特性を補ったり、強めたり、どのワインも個性派ぞろいです。
ヴァルポリチェッラは高価でvivoではなかなか提案できませんが、同製法で造られるワインも沢山あります。
いろんな製法、それぞれの存在理由も感じながらワインを飲む、生産者の意図も感じて頂ければまた味わいも変わるかもしれませんね。


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