vivo daily standソムリエのワインブログ

東京23区内で展開するバルチェーンvivo daily standのソムリエ資格保有者による、ワインの紹介、ソムリエ対策に関するブログです。

カテゴリ:ワイン紹介 > その他のワイン

こんにちは
vivoでは毎週2品づつDELIが入れ替わってます。
新しいDELI「イカ墨のパエリア」についてお話をしていきたいと思います。
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【イカ墨のパエリア】¥400(440)
スペイン、カタルーニャ地方が発祥のイカ墨を使ったパエリアです。イカ墨を使用しているので黒い見た目に仕上がるのが特徴で、ニンニクのマヨネーズソースであるアイオリとの相性が良く、イカやエビを加えることも多いです。

このイカ墨、海の中でイカが外敵から身を守る為の擬態として使われ、粘性が強く、またアミノ酸などのうまみ成分も多いのも特徴です。

非常にコクや旨味がつよく、料理により深みを与えてくれます。

しっかりとした味わいのこのデリ、本日より販売です。

















という事で、お酒提供が出来ないこの時期、自宅で実際にイカ墨のパエリアをつくってみました。
残念ながら、vivoのこのイカ墨のパエリアの作成のコツを聞きそびれてしまったので、私流で、、
(休みの日に料理つくるの好きなんですよね。)

【材料】

イカ(ヤリイカ、今回はすでにカットしてあるものを使用)
あさり
にんにく
玉ねぎ、人参、セロリ、(みじん切り)
ニンニク
セミドライトマト(ミニトマトを半割にして塩とタイムを振りかけ、低温のオーブンで水分が少し抜けた状態まで加熱、オリーブオイルに漬込んでおく)
生ハム(カルディで生ハムクズ200円ぐらいで売ってます、お得ですね)
オリーブ(ブラック、グリーン)
インゲン
レモン

【ベース】
トマト(くたくたになるまで煮詰めてます)
イカ墨(市販のソース)
ヒュメドポアッソン(これもカルディで購入)


①パエリアパンにニンニクを弱火で色付ける、同時に空いたスペースに玉ねぎ、人参、セロリを入れる
②ニンニクが色づいたら、パセリを振りかけ温度を下げるのと、香りを出すイメージで少しおく。
③オリーブ2種と生ハムクズもいれ、ニンニク、パセリ、オリーブをゆっくりとなじませるよう、加熱
④空いたスペースの玉ねぎ達をたまに混ぜながら、③から、程よく旨味がでたら、魚介をいれすべてをよく混ぜ、弱火で全体がしんなりするまで加熱する、魚介に火が通ったら取り出しておく。
⑤別鍋に【ベース】をいれ加熱、酸味が欲しいのでトマトペースト、レモンジュースを少量加え、味を調える。
⑥ ④にお米を投入(事前にさっと洗っておく、無洗米ならそのままでもよいですね、イタリア産のカルナロー二なども洗わずいれます。)
⑦弱火でそれぞれの素材からエキスがでているので、お米にそれを吸わすように優しく混ぜて加熱、(お米を炊くというより、スープを吸わすイメージですね、
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⑧お米が触って熱いぐらいになると、⑤のベースを熱い状態で2/3入れる、(お米1合に対して150ccぐらいが目安ですかね)
⑨弱火のまま、しっかりとお米に素材のエキスとベースを吸わしてあげる、(この時混ぜすぎると粘性がでるので、混ぜすぎない様、気をつける。)
⑩ある程度ベースをお米が吸い、水分がなくなってきたら、残りのベースをいれ、ひと混ぜして、セミドライと取り出しておいた魚介を並べ、アルミホイルで蓋をする、
⑪180℃のオーブンで15分加熱、
⑫15分後、オーブンから取り出し、10分そのまま蒸らす、
⑬インゲンとレモンを飾り、パセリを振りかけ完成。

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非常に旨味が強く、レモンやトマトの酸味がよいアクセントとなります。
ワインにも言えますが、この酸味のバランスが全ての味わいをかたどるイメージです。

じっくりと素材を加熱する時はいろいろ仕上がりのイメージが膨らみ、楽しいですね。

味わいの濃縮された【イカ墨のパエリア】やはり”キレ”や”ミネラル”を意識したワインと合わせたいです。

時世という訳ではありませんが、現在ご提供させて頂いています。

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【ラシャス シードル赤リンゴ】 G500(550)B(330ML)1500(1650)※ノンアルコール

など、いかがでしょうか?
果実まで赤いリンゴを使用、すこし強めの酸味が口の中をしっかりとリセットし、コクや旨味の強いイカ墨とアクセントとなる、ニンニクマヨネーズ(アイオリ、そんなにニンニク臭は強くないので、安心して召し上がれるかと、、)との相性は抜群です。
梅にも似たこの酸は全体をしっかりとまとめてくれます。

是非、こんな時だから体感してみてはいかがでしょうか?

各店にて順次販売です。



松尾





こんにちは
緊急事態宣言に伴い
vivoでは現在酒類の提供を行っていません。
ご来店のお客様にはご理解、ご協力をお願い致します。

と、こんなご時世ではありますが、改めてノンアルコール商品を現在展開しています。

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LUSCIOUS JUS DE POM/ラシャス シードル青りんご (330ml)G500(550)B1500(1650)

フランス ブルターニュよりノンアルコールのシードルをご紹介します。
このブルターニュは寒く、雨が多い地域で、ワイン用のブドウの栽培には不向きな土地とされてきました。
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ブドウ栽培の北限を超えたこの地域、リンゴや洋ナシといった果実の栽培が主となり、ブドウの代わりにお酒が造られてきました。(シードルやカルヴァドス、割となじみ深い名前ですよね)

ワインを造るのと工程は一緒という事で”リンゴのワイン”とも言われたりもします。

リンゴストレート果汁100% プレミアムスパークリング リンゴストレート果汁の雑味のない瑞々しい味わいと酸味が 絶妙なバランスのスパークリング。すっきり甘すぎない味わ いはウェルカムドリンクや食事に合わせてなど、様々なシー ンにマッチします。 砂糖・香料・甘味料・酸化防止剤不使用。アルコール0.0%。
濾過をあまりしていないので青りんご本来の美味しさも感じます。


【ノンアルコール】

アルコール商品からアルコールを抜く工程は現在多岐にわたり、
以前はアルコールの沸点の高さまで温度を上昇させ、アルコールを抜く方法が一般的でした。
この方法はアルコールの沸点78.3℃まで加熱しなければならず、果実本来の香りや、味わいまで加熱により変化し、煮詰めた、またはジャムの様な味わいになっていました。【蒸留法】

現在ではこの沸点を利用して、タンク内の気圧を下げ、より低い温度でのアルコールの気化をし、果実風味を残す方法もあります。

半透膜という膜(分子レベルまで分けられる非常に細かいフィルター)に通してアルコールと水を分解し、濃縮したものにさらに水分を加える【逆浸透法】

遠心力を使ってアルコール・風味・香りを分け、アルコールを加熱して取り除き、風味と香りだけを戻す【
揮発性物質回収法】など、色々あります。

いずれにせよしっかりとワインや、果実本来の風味を残す、、大変な作業です。

今回、アルコールの提供ができないということでのごご紹介ですが、このノンアルコール商品はただの代価商品ではない良いクォリティーのシードルです。

こんな時期だから、注目されるノンアルコール、是非味わってみられては。

営業している店舗は順次販売の予定です。


松尾

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Manzanilla/マンサニージャ G500(550)

こんにちは
スペイン南部アンダルシア地方にへレス デ ラ フロンテ―ラという町があります。
この周辺でシェリーが造られます。
この地域はへレスと呼ばれ、シェリー産業の中心地でワインは、市の境界内と海岸にあるサンルーカル
 デ パラメーダ とエル プエルト デ サンタマリアの2つの小さな町のいずれかでしか熟成を許されていません

マンサニージャはこのサンルーカル デ パラメーダのみで生産される酒精強化ワインです。

アンダルシアは高温で晴れの日が多い地中海性気候ですが、海岸付近のブドウ畑は平均気温が少し低くなります。
冷却の要因はポニエンテという西から吹く涼しく、湿度のある風からの恩恵が大きく、時折大陸(東側)から吹く、レバンテという暑く乾燥した風も吹き、ブドウに大きなストレスを与えています。

いずれにせよ、暑く乾燥した土地でのブドウ栽培は水分の確保は必然で、この過酷な地域で助けとなるのが、アルバリサという土壌です。
このアルバリサは白亜質の含有率が多い土壌で、水はけがよい土壌ですが、地層が深く低層での水分保持ができていて、ブドウは地中深くまで根を伸ばし、乾燥した暑い夏もブドウを生存させる事ができます。
また、このアルバリサは夏に表面が硬貨する為、水分の蒸発も自然に抑えてくれます。

このへレスで使用が許可されているブドウ品種は

パロミノ:へレスで栽培されている大半を占める品種で後で説明しますが、自然の酸味が低く、品種由来の特有の香りを持たないワインができる品種です。(無個性ですね、この無個性がシェリーを作る上で非常に効果を出していきます。)

ペドロヒメネス:この品種はへレスで栽培されていなく、近隣のモンティーリャ モリスでさいばいされていて、この品種も無個性な品種となります、果皮が薄い品種で天日干しするのに最適な品種で、糖分を濃縮するのに適した品種です。(凝縮感ある甘口のワインができます。)

マスカット オブ アレキサンドリア:ごく少量栽培されていて、ペドロヒメネス同様甘口のワインの生産に使用されています。

今回はマンサニージャについて語るので、パロミノにフューチャーしてみたいと思います。

外観は緑がかった麦わら色。緑のオリーブ、リンゴ、ソフトなハーブのアロマに塩がかったアーモ ンドのニュアンスも伝わる。味わいはフレッシュで快活な辛口。シャープな酸味や海に近い が故の塩気が広がりフィニッシュまで続く。

透明度のある液体は生物学的熟成のワインとなります。
ベースとなるワインをパロミノから造ります、この時点でワインは無個性、無個性が故の後の熟成による風味の添加が大きく味わいを構成します。

ベースワインはブドウ由来のスピリッツ(96%のアルコール)で15~15.5%まで酒精を強化されます。
アルコールを発酵させる酵母の他に多種の酵母株がこのアルコール下で発達し総称して産膜酵母(フロール)を形成します。
15~15.5度のアルコール下はこのフロールが活動するのに最適な度数となります。

必然的に15度以上のアルコールがシェリーの最低度数となります。

フロールの熟成の発達を促すのにソブレタブラ(ベースワインを入れたタンク)での保管期間が非常に重要になります。

シェリーは熟成が基本のワインで、熟成は通常バットと呼ばれる600リットルのオーク樽で行われ、このオークが必要なのはワインを酸素に触れさせる為で実際はバットに5/6までしかワインを入れません。
フロールが活動する栄養源は酸素と液体の中のアルコールで、これを原料に二酸化炭素とアセトアルデヒトに分解していきます。
このアセトアルデヒトがシェリー特有の「パンやビスケット、トースト、ナッツ」の風味をワインに加えていきます。(作り方は異なりますが、シャンパーニュなどの特有のイースト感もこの風味に通じています。)

このバットを積み上げて、熟成度により上から下に並べます。下に行くほど熟成期間が長くなります。
列ごとにクリアデラと名前がつけられ、一番下のバットの列をソレラと呼びます。
総称してソレラシステムと呼ばれます。

ソレラから一定量のワインを抜き取り、ブレンドして瓶詰し、抜き取った同量を上のバットの列(第1クリアデラと呼びます)から抜き取りブレンドしソレラに補充、この作業を第2、第3と行います。
これにより品質の安定化、またフロールに常に栄養源を供給でき、より安定化した培養を図れます。
安定的なシェリーの生産が可能になります。

シェリーはフロールの影響が非常に重要で、しかしながら、酵母という非常に繊細な物に味わいを左右されます。

安定した栄養源も重要ですが、周囲の温度や湿度も重要で、フロール活性化の為にボデガ(醸造所)の場所や方向(ポニエンテが吹く西向き)や湿度(室内の湿度を保つためボデガは暑い漆喰の壁になってます)バットの位置までシェリーのスタイルに影響します。(現在は空調システムを導入しているボデガもあり、安定な生産もできています。)しかしながらシェリーは非常に繊細なワインとも言えます。

湿度は高めで、温度は低めから中程度が酵母の活性化につながります。夏や気温の下がる冬はフロールは活動が低くなります。

このフロールのおかげでワインは新鮮さと綺麗なレモン色を保てます。(フロールの厚い層のおかげで空気接触と遮断され、オークの水密ではあるが空蜜ではない特性にフロールの蓋の役割、水分が抜けて液体が濃縮され、味わいが凝縮されます。)

マンサニージャの生産地域 サンルーカル デ パラメーダはへレスでも一番冷涼でフロールの層も最も厚くなり、より特有の風味が発展します。
海岸沿いの塩分を含んだ空気とフロールの特有香、口に入れた時の熟成感と潮のニュアンスになるという訳です。

多大な労力と管理、アンダルシアの底力を感じるマンサニージャ、人と自然、酵母の協力なくてこのワインはできません。

いつも、思うのですが、このワインはケーキと一緒だなと思います。
人の干渉が強い飲み物、自然+人の合作、ケーキと一緒で素材を0から構築していく感覚は非常に魅力的です。

是非、潮のニュアンスとしっかりと感じるフロール香、味わって頂きたいです。



松尾







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