こんにちは
過去3回にわたりご紹介してきたスパークリングワインの製造方法
高価で希少なものから、地域に根差したもの、品種特性を発揮するものなど様々なスパークリングをご紹介してきましたが、本日最終のお話となります。
【シャルマ方式】という製法をご存知でしょうか?
前回までのお話で沢山の労力と時間を費やし、豊かな風味と味わいを感じる瓶内二次製法、栽培地の限定、栽培方法、ブドウの選果から始まり、最終の瓶詰まで細部にわたる人為的関与があり、とても高価で生産者の思いや理想が反映されているスパークリングの味わいとなるのは必然かと思います。
一般的に相反するものの認識が強い製法にこの【シャルマ】が例えられます。
このシャルマ=タンク方式と呼ばれ、一度に多くのワインを生産でき、衛生面や管理面で瓶内二次より低コスト、商品になるまでのコストも抑えられ労働力も少なく済む。
いわゆる大量生産の安価なワインの認識が多く耳にするのが現状です。
主にイタリアでこの製法が認知高いと思いますが、
・瓶内での2次発酵を行わない=酵母の自己分解での(澱との接触)が少ない
・商品になるまでの時間が早い(早飲み)
なので、上記のような瓶内二次の要素は少なくなります。
管理や、生産過程での面で各国で(もちろんフランスでも)この方式は採用されています。
ではシャルマの良い所は?
この生産方式はやはりベースワインの風味を保持できるところではないでしょうか?
瓶内二次のように人為的な複雑性の関与がすくない為、ブドウ本来の味わいと風味を保持できるのがこのシャルマの最大の魅力となります。
酵母の自己分解が少ない為、アロマティックな品種などに最適な造り方とも言えます。
もちろん素材重視なので、栽培や選果はよりクオリティの高いものを求められます。
シャルマ方式で最も有名なのはイタリア北部、プロセッコDOCではないでしょうか?
有名産地にコネリアーノヴァルドビアーデネなど近年注目の産地です
土壌は石灰質の丘陵地帯で グレラを主体としています。
味わいは中程度の酸、青りんご、メロンなどの果実本来、アロマティック、新鮮な香りが特徴となります。
タンク方式とはいえ瓶をタンクに変えただけなので、手順はほぼ同じです。
リキュールドテイラージュなどの工程はあり、少量の瓶での熟成か大型のタンクかにより、酵母の影響は和らぐという事になります。
また、この華やかな香りをさらに前面に出したスパークリングがアスティDOCGになります。
北イタリアピエモンテにこのアスティが造られていて、発酵はタンク方式、しかし、発酵は1回のみで
それに伴い、アルコール度数は低く、7-8%に抑えられています。
それにより、香りは、強い花の香り、桃やブドウの果実風味が前面にでていて、全て甘口となります。(完全に発酵させない為、残留糖分は多くなります、最近辛口のアスティも認証され、徐々にではありますが、出回ってきています。)
また、発酵による熱でのこの風味が消えない様、タンクの冷却保持を発酵時行っていいます。
また、加圧する事による密閉をさいしょはせず、発酵初期はガスを逃がし、ガス圧と発酵温度を調整しています。
発酵完了前に冷却処理、フィルターなどで酵母を取り除き、この低アルコールを実現しています。
~シャルマ~
アロマティックで新鮮な果実を味わえるこのスタイル、
過去3回にわたる、スパークリングの製造方法との違い、良い面でのご理解を頂ければ、嬉しいですね
瓶内二次とは違った味わいのアプローチ、知らずに安価と思ってしまうより、理解して楽しんで飲んだ方がいいですよね!
vivoでのスパークリングのご提案は年3~4クールで変わっていきます。
季節良い初夏、暑い夏、寒い冬、皆様がご来店の際、最初の1杯、きもちよく飲んで頂けるよう、各国の様々なスパークリングをご提供できるよう、我々は日々良い商品をさがしています。
高価なものは何も言わずとも美味しい。
デイリーな味わいで美味しく楽しく、幸せになってもらえるワイン、
プラス少しだけでも背景を思い描いていただければ、よりvivoのワインの”日常感”を楽しんで頂けると思っています。
これからも”日常的に美味しい”を探していきますので、vivoのワインをお楽しみに!
松尾