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Manzanilla/マンサニージャ G500(550)

こんにちは
スペイン南部アンダルシア地方にへレス デ ラ フロンテ―ラという町があります。
この周辺でシェリーが造られます。
この地域はへレスと呼ばれ、シェリー産業の中心地でワインは、市の境界内と海岸にあるサンルーカル
 デ パラメーダ とエル プエルト デ サンタマリアの2つの小さな町のいずれかでしか熟成を許されていません

マンサニージャはこのサンルーカル デ パラメーダのみで生産される酒精強化ワインです。

アンダルシアは高温で晴れの日が多い地中海性気候ですが、海岸付近のブドウ畑は平均気温が少し低くなります。
冷却の要因はポニエンテという西から吹く涼しく、湿度のある風からの恩恵が大きく、時折大陸(東側)から吹く、レバンテという暑く乾燥した風も吹き、ブドウに大きなストレスを与えています。

いずれにせよ、暑く乾燥した土地でのブドウ栽培は水分の確保は必然で、この過酷な地域で助けとなるのが、アルバリサという土壌です。
このアルバリサは白亜質の含有率が多い土壌で、水はけがよい土壌ですが、地層が深く低層での水分保持ができていて、ブドウは地中深くまで根を伸ばし、乾燥した暑い夏もブドウを生存させる事ができます。
また、このアルバリサは夏に表面が硬貨する為、水分の蒸発も自然に抑えてくれます。

このへレスで使用が許可されているブドウ品種は

パロミノ:へレスで栽培されている大半を占める品種で後で説明しますが、自然の酸味が低く、品種由来の特有の香りを持たないワインができる品種です。(無個性ですね、この無個性がシェリーを作る上で非常に効果を出していきます。)

ペドロヒメネス:この品種はへレスで栽培されていなく、近隣のモンティーリャ モリスでさいばいされていて、この品種も無個性な品種となります、果皮が薄い品種で天日干しするのに最適な品種で、糖分を濃縮するのに適した品種です。(凝縮感ある甘口のワインができます。)

マスカット オブ アレキサンドリア:ごく少量栽培されていて、ペドロヒメネス同様甘口のワインの生産に使用されています。

今回はマンサニージャについて語るので、パロミノにフューチャーしてみたいと思います。

外観は緑がかった麦わら色。緑のオリーブ、リンゴ、ソフトなハーブのアロマに塩がかったアーモ ンドのニュアンスも伝わる。味わいはフレッシュで快活な辛口。シャープな酸味や海に近い が故の塩気が広がりフィニッシュまで続く。

透明度のある液体は生物学的熟成のワインとなります。
ベースとなるワインをパロミノから造ります、この時点でワインは無個性、無個性が故の後の熟成による風味の添加が大きく味わいを構成します。

ベースワインはブドウ由来のスピリッツ(96%のアルコール)で15~15.5%まで酒精を強化されます。
アルコールを発酵させる酵母の他に多種の酵母株がこのアルコール下で発達し総称して産膜酵母(フロール)を形成します。
15~15.5度のアルコール下はこのフロールが活動するのに最適な度数となります。

必然的に15度以上のアルコールがシェリーの最低度数となります。

フロールの熟成の発達を促すのにソブレタブラ(ベースワインを入れたタンク)での保管期間が非常に重要になります。

シェリーは熟成が基本のワインで、熟成は通常バットと呼ばれる600リットルのオーク樽で行われ、このオークが必要なのはワインを酸素に触れさせる為で実際はバットに5/6までしかワインを入れません。
フロールが活動する栄養源は酸素と液体の中のアルコールで、これを原料に二酸化炭素とアセトアルデヒトに分解していきます。
このアセトアルデヒトがシェリー特有の「パンやビスケット、トースト、ナッツ」の風味をワインに加えていきます。(作り方は異なりますが、シャンパーニュなどの特有のイースト感もこの風味に通じています。)

このバットを積み上げて、熟成度により上から下に並べます。下に行くほど熟成期間が長くなります。
列ごとにクリアデラと名前がつけられ、一番下のバットの列をソレラと呼びます。
総称してソレラシステムと呼ばれます。

ソレラから一定量のワインを抜き取り、ブレンドして瓶詰し、抜き取った同量を上のバットの列(第1クリアデラと呼びます)から抜き取りブレンドしソレラに補充、この作業を第2、第3と行います。
これにより品質の安定化、またフロールに常に栄養源を供給でき、より安定化した培養を図れます。
安定的なシェリーの生産が可能になります。

シェリーはフロールの影響が非常に重要で、しかしながら、酵母という非常に繊細な物に味わいを左右されます。

安定した栄養源も重要ですが、周囲の温度や湿度も重要で、フロール活性化の為にボデガ(醸造所)の場所や方向(ポニエンテが吹く西向き)や湿度(室内の湿度を保つためボデガは暑い漆喰の壁になってます)バットの位置までシェリーのスタイルに影響します。(現在は空調システムを導入しているボデガもあり、安定な生産もできています。)しかしながらシェリーは非常に繊細なワインとも言えます。

湿度は高めで、温度は低めから中程度が酵母の活性化につながります。夏や気温の下がる冬はフロールは活動が低くなります。

このフロールのおかげでワインは新鮮さと綺麗なレモン色を保てます。(フロールの厚い層のおかげで空気接触と遮断され、オークの水密ではあるが空蜜ではない特性にフロールの蓋の役割、水分が抜けて液体が濃縮され、味わいが凝縮されます。)

マンサニージャの生産地域 サンルーカル デ パラメーダはへレスでも一番冷涼でフロールの層も最も厚くなり、より特有の風味が発展します。
海岸沿いの塩分を含んだ空気とフロールの特有香、口に入れた時の熟成感と潮のニュアンスになるという訳です。

多大な労力と管理、アンダルシアの底力を感じるマンサニージャ、人と自然、酵母の協力なくてこのワインはできません。

いつも、思うのですが、このワインはケーキと一緒だなと思います。
人の干渉が強い飲み物、自然+人の合作、ケーキと一緒で素材を0から構築していく感覚は非常に魅力的です。

是非、潮のニュアンスとしっかりと感じるフロール香、味わって頂きたいです。



松尾