【ミストラル】
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フランス南東部に吹く地方風。
アルプス山脈からローヌ渓谷、を吹く風で、地中海周辺のプロヴァンス、カマルグ周辺までに吹き下ろす風の総称。
寒冷で乾燥した非常に強い風で、ローヌなどの渓谷で造られるブドウに大きな影響をもたらします。
生産者はこの風と戦い、非常に険しい渓谷で、この風の影響が少なく、最大限の日光を確保すべく、南向きの急斜面でのブドウ栽培を強いられます。
ローヌ北部、ブドウは、南向きとはいえ、風の影響を全く受けないわけではないので、三角の支柱などで幹を補強しています。

しかしながら、強風は悪いことだけではなく、雨による湿度を帯びた畑を乾燥させ、病害虫を防ぎ、ブドウの実も成熟と比例しない小さな粒での疑縮した果実を作り出すのに一役かっているのです。

ローヌ北部
この地域の凝縮された果実から産みだされるワインは色が濃く、中程度から強いレベルのタンニンを持ち、黒系果実が前面にときには黒胡椒、綺麗な花の香りも加わります。(寒冷地に見られる風味です、温暖な地域になるにつれ、なめし革などの動物的な力強いニュアンスも現れます。)

また、この北ローヌはシラー種と白ワイン品種を一緒に発酵させる製法が昔からあり、これは、黒ブドウから抽出される色素の安定、特にヴィオニエは、華やかなアロマを強めてくれます。
現在は、あまりこの造り方をする生産者はいないのが現状です。
これは毎年のブドウの出来に由来するのが要因で、現在では栽培、醸造技術も向上してシラー本来の味わいが表現できるようになった事もあり、混醸も姿を消しつつあります。

このローヌのシラーはコートロティやサンジョセフ、エルミタージュ、コルナスなどの有名産地を踏まえ、沢山日本でもリリースされています。

ミストラルの強風に耐えながら造られたワイン、ショップなどで見かけられたら、是非味わって頂きたいワインです。

台風16号の天気予報を見ていたら、強風繋がりでローヌを思い出したので、書き留めてみました。

それでは


松尾