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こんにちは
前回までの2回にわたり、スパークリングワイン(主にシャンパーニュ)のお話をしてきました。
時間と労力を費やし、自然や気候との共生、、
世界が認める、偉大な素晴らしいワインを造っているという事をブログを書きながら、改めて思いました。


vivoではこの高価なスパークリングは提供していません。
価格的なものもありますが、
「毎日ご来店いただいて、気軽に、美味しいと思って頂けるワイン」に注視したスパークリングを提供したいとの思いでこのシャンパーニュを始めとした高価なゾーンではない”日常”的なものをご提案しています。

日常的なスパークリングとは?地域や製造方法、味わい、価格、、世界中にある様々なスパークリング


今日はほんのさわりですがお話していきたいと思います。

まずシャンパーニュ方式(瓶内二次発酵)を用いたスパークリングは世界中で採用されていて

フランスの他地域でもこの製法は用いられています。
総称して、「クレマン」と呼ばれ
同じく瓶内二次発酵をとっていて、その地域に特化したブドウ品種や熟成期間の指定があります。
味わいもそれぞれ
アルザスやブルゴーニュ、ロワールなど様々な地域にこのクレマンがあり、例えば、

【アルザス】
使用品種はシャルドネ、ピノブランなどがあり、この地域特有の貴品種(ゲヴェルツトラミネールやミュスカ)は使用を認められていません
地域の気候を反映させたものとなり、ドライでさらりとした味わいが主流となっています。

【ロワール】は、ロワール名義の他にソーミュールAOCやヴーヴレAOCがクレマンを産出していて(澱と一緒に9カ月間の熟成が法律で定められ、品種はヴーヴレだとシュナンブラン、ソーミュールでは、シュナンブランに加え、カベルネフラン、その他、地場品種も使用を認められています。イーストオートリシス(酵母の自己分解)からくる特有のパンや、ビスケットの風味に加え、さらにはスモークやトーストの香りも感じられます。
(以前のハウススパークリングにこのクレマン ド ロワールを使用した事があります。特有の風味と少しミネラリーな味わい、瓶内二次発酵のシルキーで細かい泡は上質な1本としての記憶があります。
G500円でのご提供はなかなか出会えないかと、)

隣国【スペイン】でもこの瓶内二次発酵のスパークリングがあり、こちらはvivoでもよくお出ししているCAVAです。
生産地域はペネデス、サン サドゥルニ ダノイア、リオハやナバラ、バレンシアなどです。
ここも熟成は澱と一緒に9カ月間の規定があり
使用品種はフルーティーさが特徴のマカベオ、リッチ感を演出するチャレッロ、アロマティックな花の香りを呈するパレリャーダ、他にもシャルドネ、ピノノワール、ロゼなどはガルナッチャも許可されています。
このCAVAの特徴は、一般的に辛口、酸味は中程度(早摘みは高い酸を呈します。)リンゴなどのすっきりした味わいに加え洋梨の風味が特徴となります。酵母の風味は控えめで少しタイヤやゴムなどの香りも特徴的です。(あまり魅力的な表現ではないですが、この表現は一般的で、皆がイメージしやすいので、用いられています。)


熟成期間の長さはシャンパーニュ(NV澱と一緒に12カ月)に比べ少し短いですが、その分果実の風味や、柔らかな泡の感触など個性がよく調和とれた味わいがCAVAの特徴ではないでしょうか?

【ニューワールド】
のスパークリングも様々な形で造られていて、大きな特徴はアルコールを高くせず、完熟した果実の風味が前面に出るものが多いです。
生産地域も高い標高や冷涼な気候でよく栽培されていて、シャルドネ、ピノノワールが良く使用されています。

【アメリカ】
近年注目されている、カリフォルニアのスパークリング
産地はカーネロスAVAやアンダーソンAVAなど、有名な地域で高価なワインを産出しています。
澱との長期接触での強い風味と高い酸でバランスの取れた疑縮感、複雑な味わいがこのカリフォルニアの特徴です。

また、低価格のスパークリングは主にセントラルヴァレーで生産されていて、地域性が前面にでた、強い完熟感で甘味のある物が中心です。(大型タンクでの醸造で炭酸ガス注入方式、パワフルでフレッシュな果実感を感じます。)

【南アフリカ】
ウエスタンケープ州を中心に涼しい南東向きの丘陵地帯や沿岸付近でブドウを栽培しています。
この南アフリカは伝統的な瓶内二次発酵でスパークリングが造らたものを「キャップクラッシック」と呼んでいます。
基本はクレマンと同じ9カ月の熟成期間をして、生産協会に属していると12カ月の熟成期間を要します

【オーストラリア】
ヤラヴァレー、アデレイドヒルズ、タスマニアなどがアッパーレンジのスパークリングを産出しています。
高い標高からくる、エレガントで数多いブレンドで複雑な味わいが特徴となります。
また、赤のスパークリングも有名でシラーズ、カベルネソーヴィニヨンを使用し、良質な赤いベリーの果実風味と滑らかなタンニン、多少の残留糖分を感じる味わいとなります。

また、低価格のスパークリングはアメリカ同様でタンク、ガス注入方式をとっています。
サウスイースタンオーストラリア、主に、リヴェリナで産出され、パワフル、フレッシュな果実感となります。

【ニュージーランド】
有名な産地はやはりマールボロでソービニヨンブラン、シャルドネ、ピノノワールからスパークリングが造られています。
果実の風味に重点を置く為、炭酸ガス注入方式がとられています。
ニュージーランド特有のハービーな風味のスパークリング、様々な地域のブドウをブレンドするものもあり、重厚なボディの飲み口もあります。

以上世界のスパークリングのお話(代表的な)をしてきましたが、
次回はまだまだある、世界のスパークリング方式をお話できればと思います。







松尾